PROJECT STORY

#01

会社清算における
資産整理プロジェクト
独自ネットワークを活かし、赤字売買
からの大逆転劇を!

プロジェクト推進者
名古屋営業部 部長代理
(取材当時:本社営業第五部 部長代理)関 研太Kenta Seki


2011年入社

プロジェクト概要

不動産売買の仲介を手掛ける関。入社6年目に、会社精算に伴う不動産売却を担当することになった。期日であるお客様の決算月まで時間は限られている。急いで工場の解体費や土壌汚染の処理費など経費を算出すると、収支が大幅の赤字になることが判明。不動産を売却することでお客様が借金を追いかねない最悪の状況下において、関の真価が発揮された。

長年の歴史に終止符を打つ企業に、より良いフィナーレを。

「全然相手にされない。こんなにも俺は無力なのか……」。入社後すぐ戦略開発部に配属された関は、自信を失っていた。戦略開発部は、銀行紹介の顧客をメインとする営業部と違い、取引先を自らの手でイチから開拓しなければならない。しかし、1000件中3件しか取引が成り立たないと言われるのが不動産取引。1年目で知識も経験も少ない関は、行動量で補うしかなかった。効率は非常に悪い。だが、関は諦めずに足を棒にして駆けまわり続けた。そして、地道に努力を継続することで少しずつではあるが、取引先を獲得していった。その切り拓いた顧客たちは、のちのキャリアにおいて彼を救う資産となる──。

月日が流れ、入社6年目、営業部へ異動していた関は会社精算に伴う不動産売却プロジェクトを担当することになった。お客様は80年以上にわたって製油業を営んできた歴史ある企業。一族経営で代々バトンをつないできたが、後継ぎがいないことから事業をたたむことになったのだ。「社長はきっと、あらゆる想い・感情に折り合いをつけて決断をしたんだ。応えなければ」。初回ヒアリングで社長と向き合いながら、関はそう思った。

不動産を売却することで、4000万円の赤字に!?

社長の希望は、半年後の決算月までに不動産を売却し、会社を清算し終わること。しかし、限られた時間のなかでやることは多い。たとえば、事業で廃油など汚染物質を扱っているため、工場地の土壌汚染の調査や対応が必要になる。また、建物の解体や隣接地との境界の確定、その他廃業に伴う各種行政手続きなどもある。関は半年間のロードマップを明確にし、まず各種費用の見積もりを進めていった。

「えっ、最終的に4000万円の赤字なるだと!?」。関の言葉に社長は絶句した。社長が希望する不動産の売却額は2億円。この金額自体は、相場的に適正だ。しかし、土壌汚染の処理費用を中心に、売却に必要なコストが2億4000万円も掛かることがわかったのだ。「何とかなりませんか……」。社長としてはこれまで頑張ってくれた従業員や、株主である親戚に清算で得られたお金を分配したいと考えていた。このままだと分配どころか、4000万円の赤字をかぶることになる。「わかりました。何とかします!」。時間の限りがあるなかで、関は解決のために奔走した。

関だから実現できた、1億2000万円分の逆転劇。

「うちが土壌汚染処理も含めて、買い取りましょう! これまで関さんにはお世話になっていますから」。関は買い手候補となる、ある会社を訪れていた。そこは不動産の転売事業を営んでいる会社。関が戦略開発部時代に開拓し、これまでに何度か取引実績のある企業だ。土壌汚染処理を安価で実施できるネットワークがあり、もろもろの対応も含めて8000万円で購入してくれることが決定した。

4000万円の赤字から、最終的に8000万円の黒字へ。しかも、土壌汚染の処理も買い手側で対応してくれるため、引き渡し後のトラブルといったリスクも少なく、会社を清算する今回のケースにとっては好ましい条件だ。これも関が独自のネットワークを活用しながら、複数の処理会社を再度選定して見積りを出してもらうなど、必死に駆けまわった末の結果であった。そして、関のサポートのもと、無事に決算月までにすべての手続きが完了。「関さんに任せて良かった。ありがとう」。そう言う社長の表情や声色は、初めて会った時と違って柔らかく、心やすらかなものになっていた。