PROJECT STORY

#02

ホテル開発における
不動産仲介プロジェクト
3年目で十数億円の大型案件を成功。
その働きは歴史と心に刻まれている。

プロジェクト推進者
大阪本社営業第三部 主任児玉国男Kunio Kodama


2016年入社

プロジェクト概要

事業用不動産の仲介営業である児玉。不動産の買い手と売り手をつなぎ、事業の発展を支えるのが役割だ。児玉が3年目のときのこと、大手デベロッパーのお客様からホテル事業用の用地を相談された。大阪第1号の案件としてふさわしい一等地を探すことがミッション。若手である児玉がメインで担当することになった。

土地予算だけで十数億円となる、上場企業のホテル開発案件。

「売り手側の希望が坪1000万円に対して、買い手側の希望が600万円……どう調整していこうか」。売り手と買い手の希望額の大きな隔たりに、児玉は頭を悩ませていた──。

入社3年目の不動産仲介営業である児玉は、大手デベロッパーの大型案件を担当することになった。買い手のお客様は、主にマンション開発事業を手掛ける大手デベロッパー。上場企業であり、業界でも有名な企業だ。このお客様が近年、新しくホテル事業をスタートさせ、児玉はその大阪第1号案件となるホテルの用地紹介を依頼されたのだった。

土地の予算だけで、十数億円となるプロジェクト。これほどの規模の案件を児玉は担当したことがなく、東洋不動産の社内においても珍しい。「お客様においても、自社においても、業界に広く認知されるシンボリックな案件だ。絶対に成功させてやる」。自らのキャリアにとっても大きな自信・実績になる案件を前に、児玉のモチベーションは高まっていた。

立ちはだかる、坪あたり400万円もの金額差。

「狙うべきは、ミナミを中心としたエリアだな」。大阪第一号というお客様の沿革にも刻まれる案件だけに、ふさわしい条件の土地でなければならない。児玉は大阪の中心地であり、ホテルの見込み顧客となる観光客が集まるミナミエリアを中心に用地の目星をつけていた。そして、情報を収集していくなかで、買い手側の希望に近い好立地の不動産売却情報を入手。「大阪随一の繁華街からも近くアクセスは抜群。土地の面積も広く、買い主の考えるホテルのコンセプトにピッタリだ!」。これ以上はないと言えるような好物件。上司に相談したところ、「児玉に任すよ。何かあったら俺が責任をとるから提案してみろ」と背中を押してくれたのだった。

「坪600万円までしか出せないですね。とても素敵な物件だと思うのですが……」。その言葉に児玉の頭は真っ白になった。売り手側の希望は坪1000万円。400万円もの隔たりがある。このままだと契約は成立しない。「他の物件を探すか……いや、お客様にとってもこれ以上の場所はない。何か解決策があるはずだ」。普通なら諦めるケースだが、児玉は上司の協力を仰ぎながら、解決のためのアイデアを探し続けた。

枠を越えた働きで、全体の収支を見直していく。

「全体の収支を調整することで、物件の取得価格へ費用をまわせないだろうか」。児玉は既存建物の解体コストを下げるために幾つかの解体業者をあたりながら、着工までの間、空地部分で駐車場を運営する提案を行った。また、お客様にもホテルの建築・運営費などの支出や、ホテル事業による収益の見直しを打診。と同時に、売り主側にも買い手のお客様の信頼性をアピールして売却価格を調整してもらえるように理解を促していった。普通ならやらないことまで、労を惜しまず力を尽くしていく児玉。お客様や上司、先輩の協力に応えたいという想いで走り続けた。

そして、ホテル事業が成り立つ範囲で、金額の合意を取り付けることに成功。この大型プロジェクトは業界紙のマーケットニュースにもなり、大きな反響を得られる結果へとつながった。社内でも評判になり、普段接することがない他拠点・他部署の社員からも声を掛けられるほどだった。しかし、児玉として何よりも嬉しかったのは、共に走り続けたお客様である大手デベロッパーの担当者から掛けられた「児玉さんが諦めずにいろんな提案をしてくれたので購入できたんです」という言葉。その働きは歴史だけではなく、多くの人の心にも刻まれたのだった。